大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)606 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人板持吉雄の上告理由について。

所論は、要するに、破産管財人たる者は、就任の後直ちに、破産財団に属する財

産の占有・管理につき、善良な管理者の注意義務を負い、かかる財産たる不動産に

破産登記がなされていないことを発見した場合は、遅滞なく裁判所をして右登記の

嘱託をなさしめるにつき遺憾なきようにし、取引の安全ないし第三者保護をも全う

すべき職責を負うものであるところ、被上告人は、就任の直後から、本件不動産が

破産者の所有であることを知悉しながら、その故意または過失により約六年間も破

産登記をなさず、このような場合には、本件不動産上の権利を取得した善意の第三

者たる上告人に対しては、破産法五三条一項による上告人の不利益を、被上告人自

から主張することは、信義誠実の原則、権利濫用禁止の原則および法の根本原理で

ある衡平の原則ないし条理に違反するにもかかわらず、上告人のかかる主張を排斥

して、被上告人の本訴請求を認容した原判決には、右のような法令違背が存すると

いうにある。しかし、所論の点についての原審の判断は正当であつて、論旨はこれ

に反する独自の見解というべく、採用するを得ない。�

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

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裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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